Ritsumeikan University Rubgy Club
NewZealand Tour 2003

立命館大学 Rugby部 ニュージーランド合宿

2003年3月6日〜11日、立命館大学がここオークランドにて合宿を行った。関西大学リーグ2連覇を惜しくも逃してしまった立命館大学が、王座奪取をかけて今シーズンのスタートをきった!

3月6日(初日)
監督、選手、スタッフを含む総勢約60人は、午前中にオークランドAirportに到着し、その足でTraining-SessionTが行われるLynfield-Collegeに向かった。初日のTraining-Sessionでは、Attack-Fitnessを中心とした2時間の練習が予定されていたが、約10時間のフライトの疲れからか、Teamの要望により急遽練習内容を1時間の軽めのメニューに変更し、練習が行われた。

コーチは、Teachers Eastern RFCのDevelopment-Managerである「Peter-Maihi」氏。同氏は、今年の4月から社会人チーム「NTT関西&NTT-Docomo関西」へプロコーチとして赴任するという実績を持っている。選手達からは緊張の色がうかがえた。

練習は、まずPOPパス・ガットパス・ダンボールなどのBasic-Skillをさまざまなバリエーション(ボール数やグリッド数がランダム)で行い、400m走、そして最後にラック&モールのBasic-Skillをゲーム感覚で行って終了。CommunicationおよびBasic-Skillを中心とした内容だった。選手達は、真新しい練習方法・芝のグラウンド・NZの天候の良さ等が影響してか、疲れていながらも良いコミュニケーションがとれていた。

そして練習後は、各選手が今日から二日間お世話になるホームステイ先のホストファミリーとの御対面。緊張の面持ちの選手達、この経験も必ず貴重なものになるであろう!

3月7日(二日目)
本日は、Attack-Fitness・Defense-Fitnessを中心としたTraining-SessionUが行われた。Warming-Upとして、5人一組で行うパス&サポート(さまざまなスペースで、かつダンボール・Pick-Up・クラッシュ・オーバーなども取り入れたトレーニング。正確なBasic-Skill、素早く的確な判断、確実なコミュニケーションを要する)を行った。体と頭を使ったWarming-Up、選手達の集中力は自然に高まっていった。

そして、タックルダミーを使ってAttack時のコンタクト・サポート・ラックの練習を行った。
Defenseでは、タックルバックを使ってのタックルとドリフトタックルを行ったあと地獄のタックルFitnessへ。タックルバック、タックルダミーTotal約15個それぞれにタックル&クラッシュを連続で行い、100mTop-Run。これを3set行った。選手達は、全員が「キツかった...」とコメント
最後は、5人or6人を一組としたAttack-Combi。クラッシュPlayerには必ずサポートを二人つけるという原則に基づいてPick&Pop、Pick&GoのTraining。これには、全プレーヤーがハーフの役割をこなし、全プレーヤーがラックのオーバーも行わなければならないという重要なPointが含まれている。
約2時間のTraining-Sessionののち、二日後に控えたGameに向けてTeamごとのコンビを行って終了。選手達は疲れてはいるものの、爽快な天気に恵まれてか、清々しい笑顔でLynfield-Collegeをあとにした。

3月8日(三日目)
オークランド滞在3日目、本日のメインイベントはなんといっても、North-Harborで開催されるスーパー12「Blues vs. Crusaders」の観戦。開幕から各チーム2試合を終え、ともに2連勝で迎えた第3戦、地元Bluesと前年覇者Crusadersの好カードだ。
選手達は、午前中に明日の試合に備えてのトレーニングを行い、午後はFree-Time、そしてStadiumに向かった。

スターティングメンバー30人中、22名がAll-blacksキャップ保持者という豪華GAME、さまざまなアトラクションが行われたあと、遂にKick-Off!!
開始5分、Bluesの頼れるスタンドオフCarlos-Spencerそして今シーズン大爆発のウィングCaucaunibucaで先制トライ。1999年以降、成績不振だったBluesが、今年の違いを見せつけるスタートとなった。その後も、Spencerを中心とするBluesの攻撃が続き、50mPGを決めるなど、試合は完全にBluesの流れだ。一方、Crusadersは約30分にDaniel-Caterがビッグゲイン、そして素早い展開でScott-Robertsonがトライ。Crusadersらしい素早い攻撃で攻勢したが、これ以降インゴールを陥れることはなかった。前半は、13-5とシーソーゲームになるかと思われたが、終わってみれば39-5とBluesの圧勝。Spencerを中心としたOffence・組織されたSupport、Zone-DefenseすべてにおいてCrusadersを上回った結果となった。

観戦した選手達は、「ここまでCrusadersが圧倒されると思ってなかった」などという声もあったが、「組織されたBluesから得るものは大きかった」と十分に満足していた様子だった。日本でのRugby観戦とは違うNZスタイルでの世界最高峰スーパー12の観戦、最高の思い出になったに違いない!

3月9日(四日目)
11:30AM Ritsumeikan- university vs. Teachers-Eastern-RFC under19
今回の合宿初試合だ。相手は、Under19とはいえ  昨年オークランドの18歳以下のリーグで優勝したTeam。まだ、プレシーズンが始まったばかりでFitしていないplayerも多いが、油断できない相手だ。30分を3game、立命館大学は1本目〜3本目で対戦した。

<試合内容>
「モール、ラック等の密集でのボールの奪い合いで、反則ギリギリのプレーが上手く、またレフリーも試合を継続させる為か、それを流すシーンが多かったので、若干戸惑いました。」試合後、キャプテンは、そう語った。
試験休みも含めて約2ヶ月半のオフあけでフィットネスも何もないままオークランドに来た立命館、去年の8月から試合は6ヶ月ぶり以上はなれていたTeachers Eastern U19、ノックオンや、コミニケーションミスなどの細かいミスや少し雑なプレーが目立っていたように思われる。しかし一つ一つのタックルや個人技、ラインアウトの強さ,上手さは流石のものを持っていた。バックスもサイズはそれほど大きくはないがスピードのある選手が多かった。大きな怪我も無くほぼ同スコアで試合は終了した。

そしてゲーム後、もうひとつのRugbyの醍醐味「After Match Function」がTeachers-Eastern-RFCで行われた。両チームのメンバーが、敵味方関係なくお互いの勇姿を称え合う場だ。Drink&Foodの準備が整い、HostであるTeachers-EasternのDevelopment-Managerで今回のコーチであるPeterから歓迎の挨拶、そしてClubの役員であり1970年All-BlacksメンバーだったJohnから立命館大学のキャプテンおよび副キャプテンにTeam-Cap、T-Shirt、Tieがプレゼントされ、宴会が始まった。最初は、選手達もKiwiとの交流にためらいがあったが、酒も手伝ってか、徐々に打ち解け始め、T-Shirtを交換する姿、連絡先を交換する姿が見え始めた。これぞRugbyの素晴らしさだ!そして、締めくくりに、立命館大学側から「刺繍入りジャージ」が送られ、そして部歌の熱唱が行われた。それに答えるように、Teachersのメンバーが立命館全員のメンバーと力強い握手を交わして、After Match Functionは終了した。

これがRugby国際交流、正反対に位置する日本とNZの距離を近くに感じた。もっともっと多くのTeamがNZを訪れ、本場のRugbyの文化に触れ合える場が益々増えることを願う!

日本のRugby-Guyよ、いざNZに!!

3月10日(五日目)
今回の合宿最後のTraining-SessionVが、Teachers-Eastern-RFCで行われた。練習直前まで降り続いた雨は、練習開始と同時に上がっていった。最後まで天候に恵まれた合宿となった。

そして、前日の試合を振り返って、Peterが「Offenceのサポート」「組織Defense」の2点を課題に挙げ、練習はスタートした。Warming-Upのあと15対30に分かれ、「Offenceのサポート」・・・攻撃playerに必ずサポートが二人つくことの確認、「組織Defense」・・・Forward・Backsラインをディフェンスライン-1、スクラムハーフをスイーパー、両ウィングのラインをディフェンスライン-2、フルバックのラインをディフェンスライン-3とする方式の指導を行った。組織Defenseは、オークランドBluesが採用しているディフェンス方式だ。この確認を、1本目〜3本目まで念入りに行って、すべてのTraining-Sessionが終了。

前日の試合を踏まえて、それを修正する為の練習を行うPeterのコーチングには、監督を含めスタッフの皆さん、満足頂いたようだ。3日間という短いSessionであったが、ここでのTrainingが、日本に帰ってからの練習の基盤になってくれればと思う。

そして、Teachers-Eastern-RFCクラブハウス前で、Peterと別れを告げ、選手達はオークランドの町に向かった。

3月11日(六日目)
本日、立命館大学一行は9amのフライトにて日本へ帰国した。
5日間という短い間であったが、3Training-Session・1Game・1Game観戦と非常に密度の濃い合宿だった。コーチPeterから教わったトレーニングおよびAttack&Defeseシステム
を、どう吸収しどう活用していくかは、選手達自身にかかっている。そこから自分達のRits-Rugbyを創り上げられることができれば、はじめてこの合宿の価値が生まれる。しいては、それが立命館大学を今シーズン優勝に導いてくれることだろう。

Do The Best ! Rits!

text by Akihiro Hino