デールウール　オークランド　ブラスは２００３年のナショナルコンテストで過去最高ともいえる大きな成功を成し遂げた。

　去年のＡグレードチャンピオンシップで惜しくも僅差で２位に終わった屈辱を晴らそうと望んだ今年の大会、昨年のチャンピオン"ウールストン　ブラス　　"に３ポイント差をつけて、デールウール　オークランド　ブラス　が栄冠を手にした。又、当バンドにとっては１９９８年にニュージーランド　チャンピオンシップで優勝して以来初の勝利となった。

課題曲＆聖歌
　Ａグレードの課題曲と聖歌は大会３日目、７月１１日（金）に行われた。
　デールウールは聖歌部門で、ピーター　アダムス作曲「The Day Thou Gavest」を素晴らしいパフォーマンスを見せたオタゴ　セントキルダ　ブラス　に軍配を分けた。
　しかし、課題曲「ハイピーク」で堂々たる演奏をして挽回。作曲者　エリック　ボールも、きっとバンドの解釈と演奏を気に入るだろうという確信を得た。

自由曲
　ナイジェル　ウィークスが選曲した今回の自由曲、ピーター　グラハム作曲「モンタージュ」は、１９９９年のナショナルコンテストの際にも候補曲として上がっていた。
　コンテストの最終日、７月１２日、ステージに上がるまでの時間は永遠に続くかのように長く思えた。バンドはその先のビックステージに向けて準備万端だった。
　第一楽章は途中危ない箇所がところどころあったが、ソリストの卓越した演奏が観客を魅了した。期待の第二楽章は実際に完璧といって過言じゃないパフォーマンスを見せ、バンドを軌道に戻した。そして迎えた第三楽章（最終楽章）。本当に素晴らしい演奏を生み出し、演奏後は観客の大喝采が止まなかった。

　自由曲演奏後、前日行われた課題曲＆聖歌、自由曲の結果発表と表彰式がまとめて行われた。緊張の待ち時間の後に待っていたのは、なんとも素晴らしい結末だった。
　
　この結果の大きな功績はもちろん指揮者のナイジェル　ウィークスにある。彼の刺激的な音楽性と能力がバンドをピークの状態でステージに持っていったことは過小評価できない。バンドはステージでリラックスし、トータル的に調整されていた。
　このバンドの勝利は現地に着いてからたった４回のリハーサルで成し遂げられた。（最長１時間、最短はたったの２５分！）　このことは毎日長時間のリハーサルを重ねてきた他のバンドを大いに驚かせた。