ニューュージーランドラグビー事情
ニュージーランドラグビーの概要
ニュージーランドのシーズンスケジュール
どうやって参加するの?
どのグレードで?
どんなビザで?
ニュージーランドラグビーの概要
どの国、どのチームもそうだが、ここニュージーランドでも大きなピラミッド形式になっている。
1、 オールブラックス
2、 スーパー12
3、 NPC
4、 クラブチーム
 

大きく分けてこの4つに分類する事ができる。つまり、クラブチームで活躍したプレーヤーはオークランドやカンタベリーなどの地区(州)代表であるNPC代表に選ばれる。その中でも優れたプレーヤーがその上のスーパー12のメンバーに選ばれる。そしてさらにその世界最高峰のラグビーリーグ、スーパー12の中でもっとも活躍したプレーヤーがニュージーランド代表、オールブラックスに選ばれる。
そして、この4つに分けたカテゴリーの中にもピラミッドが存在する。
 
1のカテゴリーならばニュージーランドコルツ、ニュージーランドU19、マオリオールブラックスもその1つと言えるだろう。
2のカテゴリーの中では。各スーパー12のチームにはコルツチームがあり、そのグレードのリーグもある。試合の前座などでよく観られる。
3のカテゴリーでは、例えばオークランドB代表、オークランドコルツ、U19などがありそれぞれのグレードのリーグがある。
4のカテゴリーも一緒で地域によって呼び名は違うが、例えばオークランドでは一番上のプレミアム、その下に続いてシニア1、シニア2、U21、U19、・・・などがあり、それぞれ各グレードにおいてリーグがある。
ニュージーランドのシーズンスケジュール
1、オールブラックス
6月〜8月下旬まで。6月、7月初旬までは主に北半球のチームとテストマッチを行う。7月中旬から8月下旬まではニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの3カ国によるトライネーションかある。オーストラリアとの定期戦、ブレディスローカップも同時進行される。
2、スーパー12
2月中旬に開幕して5月中旬くらいまで続く。その年のラグビーシーズン到来を告げるシリーズで、どの国のチームが強いかによってその年の代表の成績を占うカギとなる。また、新しい戦術や新ルールもここからスタートするので注目したい。
3、NPC
8月上旬から10月下旬位まで。その年のクラブ選手権の中から選ばれたメンバーを中心に構成される。最初はその年クラブで活躍した選手や新鋭選手が中心で、多くニューヒーローが生まれる。中盤から終盤にかけてはオールブラックスの選手が各地区の代表にもどり、熱戦が繰り広げられる。
4、クラブチーム
各地域、各チームによって多少異なるが、だいたい1月下旬から2月初旬に集合してフィットネス中心の練習をする。2月の下旬からプレシーズンマッチ、つまりシーズン開幕前の練習試合みたいなものが行われる。基本的にどのグレードでプレーするかは自己申告だが、この試合は各グレードを決めるセレクションの意味も少なからずあるので上のチームでプレーしたい人は自分をアピールする場所でもある。3月下旬にシーズンが開幕して7月下旬から8月上旬位まで続く。
 
以上が簡単ではあるがニュージーランドラグビーの概要である。
ラグビーに携わる多くの人が王国ニュージーランドに憧れその地でプレーする事に興味を持っているはずである。
そこで、実際ニュージーランドに来てプレーをする場合の情報、そしてクラブチームの詳細などを紹介しよう。
どうやって参加するの?
基本的にこの国は「来るもの拒まず、去るもの追わず」で練習に行けば参加できる。
プレシーズントレーニングが1月下旬から始まるのでそこからチームに合流するのがベストだろう。いろいろなチームを見たいというのであればこの時期に見てみてもよい。しかし、練習内容はフィットネス中心で内容的には何処も変わらない。したがってどんな雰囲気か、どんなプレーヤーがいるのか、場所は何処にあるのかなどをみる程度になる。
もし、何らかの理由でチームを変える場合、基本的には個人の自由だ。シーズンが始まてからでもチームを変える事はできる。ただし仲間意識の強いこの国ではあまりお勧めできない。今までのチームメイトが敵になるわけで、多くのそういった選手を見てきたが周りの反応はあまりよくなかったというのが現状だ。チームを移っても状況はあまり変わらなかった。
どのチームでするかよりもそこで何をするかの方を考える事が大切だと思う。ただどうしてもなじめないという人は思いきってかえてみるのも一つの方法だ。
どのグレードで?
さて、実際にどのグレードのチームでプレーするかだが、先にも説明した通り基本的には自己申告する。自分にあったグレードを自分で選べる。しかし、最終的に決めるのは各グレードにいるコーチである。
例えばいくら上のグレードでプレーする事を希望したとしても必ずしもそうなるとは限らない。かといって絶対無理かといえばそうではない。下のチームでしっかりと結果をだせば必ず上のチームに上がることはできる。実力至上主義、そこには国籍も年齢も関係無い。
 
ここでオークランドを例にとってどのようなグレードがあるかいくつか紹介しよう。
一番上のチームは「プレミアム」と呼ばれる。日本で言う“1本目”だ。このグレードはそのチームの看板でもあり、多くのオールブラックスの選手や、各国の代表選手が集まる最も激しくレベルの高いグレードだ。日本人がこのグレードでプレーすることは難しいが、今までも何人かの選手が選ばれてプレーをしていたので決して無理な事ではない。が、容易い事でもない。
その次に来るのが「シニア1」、このグレードはプレミアム予備軍、言葉は悪いが日本的に言うと“2本目”である。日本人の多くはこのグレードでプレーする。ここで良いプレーをした選手はプレミアムチームへ昇格する。逆に、プレミアムに選ばれても結果が良くなければシニア1に降格する。この常は日本と共通である。
この2つのグレードにはそれぞれファーストディビジョン(1部リーグ)とセカンドディビジョン(2部リーグ)がある。各ディビジョン10チームでのリーグ式、ファーストステージ(前半戦)が終了した時点でファーストディビジョンの下位2チームとセカンドディビジョンの上位2チームが無条件で入れ替わる。セカンドステージもリーグ方式でおこない、今度は下位2チームと上位2チームの総当たりの入れ替え戦がおこなわれ上位2チームが翌シーズン、ファーストディビジョンからスタートする。(毎年方法は変わる。)
さらにチームによって異なるがシニア2、シニア3といったグレードを持つチームもある。
 
そのほかは年齢別のグレードになる。U21、U19、…U5とありそれぞれ同じようにリーグ方式でおこなう。小さなころから同じチームでプレーをして成長し、そのチームのプレミアム選手を目指して頑張る。この国の強さの秘訣はこんなところにも垣間見る事ができる。
そして、リストリクティドといって85キロ以下級の、日本には無い体重を基準にしたチームのリーグ戦もある。このグレードも体格やパワフルさこそプレミアムには劣るが、スピードやフィットネスレベルは非常に高く、日本人向きなグレードかもしれない。試合前には体重測定があり85キロ以上の人は試合には出られない。
さらにレディースのチーム、30歳、40歳、50歳などそれぞれの年齢、レベルで楽しめるグレードがある。これらのチームは基本的に練習はあまりしないで試合だけを楽しむ人が多いようだ。かつての名選手の多くもこのようなチームでプレーしている。

どんなビザで?

ニュージーランドでラグビーをする場合、どうしても気になるのがビザ。どんなビザで来るのが一番良いのか?と悩む人も少なくないだろう。そこで、実際に来てプレーしている人達がどんなビザで来ているか、いくつかの例を紹介しよう。殆どの人がこの中のいずれかのビザでニュージーランドに来てプレーしている。その人のプラン、ビジョンに合ったビザでくるのが良いだろう。
 
観光ビザ

ニュージーランドは90日まではビザが無くても滞在できる。さらに、有効な帰国するための航空券と残高証明(1ヶ月あたりおよそNZ$1000−00)があれば滞在日数を最高9ヶ月まで延ばすこともできる。ただし働く事はできないので、日本でしっかりお金を貯めてこっちではラグビーに没頭するという人にはいいかもしれない。また、とりあえず最初の年は下調べもかねて観光ビザで来て、生活の方法がわかってから改めてワーキングホリデーなどのビザで本格的に1シーズン頑張るというやり方や、もう1シーズンやりたい!勝負したい!という人もこのビザで来ている。
 
学生ビザ
学生ビザは英語をしっかり勉強し、そしてラグビーもする、という人に良いだろう。しっかり英語を勉強すれば選手、コーチとのコミュニケーションも上手くゆき、より一層充実したラグビーライフを過ごせるはずである。
 
ワーキングホリデービザ
ワーキングホリデービザは1年間仕事をしながら滞在できる。ラグビーだけでなく、学校にも行って、仕事もして、旅行もして、遊びもして、時には恋もして?!そういったライフスタイルが希望の人に合ったビザだろう。
 
ワークビザ、パーマネントビザ(永住権)

これらは上記3つよりも取得が難しい。生活基盤をニュージーランドにおいて、その延長上にラグビーという形になる。観光ビザ、学生ビザ、ワーキングホリデービザを経てその次に、というものである。
 
航空会社は日本からの直行便はニュージーランド航空、日本航空、その他経由便は代表的なもので大韓航空、シンガポール航空などがある。値段や時間と相談して決めるのが良いだろう。できるかぎり有効期限の長いチケットの方が後々便利な事が多いようだ。
最後に・・・
とにかく積極的に練習に参加してみて欲しい。
チームカーラー、交通の便で便利なチーム、チームレベル、それぞれ自分にあったチームを探し出して欲しい。どのチームが良いかをよく聞かれることがあるがどのチームがいいと言うのは本人にしかわからないことだ。
最も重要なのはどのチームでプレーするかよりも自分がどうしたいのか、どうするべきなのかをはっきりと認識して取り組む事だと思う。楽しくするのもそうでなくなるのも自分次第と言うことだ。このページをより良い選択をするための参考にしてもらえたら嬉しい。
最初の一年目はなかなかチームにとけこめないこともあるが積極的にチームに参加して早く顔と名前を覚えてもらう事。試合の後のファンクションやチームメイト同士の飲み会、チームのイベントなどにもどんどん参加してみて欲しい。この国のラグビーというもののとらえ方、楽しみ方というものを肌で感じ取って欲しいと思う。
 
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